|
||||||||||||||||||||
Home Care NSW スタッフの"専門性"の大切さを痛感 黒岩秀子/力 仁子 (1)ホームケアサービスとは 家事手伝い、身の回りの世話をする人を派遣する仕事。 (2)運営資金は 連邦政府(少し)と、ニューサウスウェルズ州(ほとんど)の補助金による。予算は一億4000万ドルである。45支所あり。常勤、パート含めて4750人の人が働いている。1998年〜99年の一年間に5万人の人に330万時間のサービスを提供する。一時間40ドル。 (3)歴史 1943年にボランティアが集まり、困っている人に、臨時に家事をしてあげたことから始まる。現在、国内に広がっている。 (4)対象者は ア 虚弱老人 イ 若い人で障害を持った人 (5)ショートステイ 家族に休息を与えるということで、住み込みで家事、身の回りの世話をする。 (6)問題点 1.満足のいく時間の提供ができない。 2.労災がとても多い。14人に1人が労災のけがを負っている。ホームケアサービスは、よいサービスの提供と、スタッフのけがが少なくなることを望んでいる。 対策として、 ア 労災予防プログラムをつくる イ スタッフ全員が自分の行動に責任を持ち、危険に対する認識を持つ ウ 何らかの器具を使い腰を痛めないためのボディメカニクスのトレーニングが挙げられた。 (7)ボーディングハウスについて ボーディングハウスは老人の下宿屋のようなものと解釈して良い。入居者の平均年齢は、77才。入居している人々は、障害を持っている人、アルコール中毒症、また地域から疎外されている人々、認可されている施設と無認可の施設とがある(無認可施設のオーナーは、建築業者が多く、とりあえず住まわせておけば、金になるという考えの人が多い)。 ボーディングハウスに入居している人々は、1980年位までは、病院や、施設に入っていたが政策の変更により、表面化するようになった。生活能力が無いからボーディングハウスへ入居。 1999年には89のボーディングハウスがあったが、現在は80に減少している。ボーディングハウスでのケアの提供は、24時間行われている。ボーディングハウスも、行政の介入により、地域の人からも良い印象を持たれるようになり、徐々に認知されるようになってきている。 (8)ボーディングハウスでの質疑 1.お金のない人、老人はどうしたらいいのか? ホームケアに連絡してサービスを受ける。お金のある人、一般の人は家政婦サービスを受ける。 2.施設での利用者の段階と制度としての要介護度との関連性は? 施設とは別の審査官がいる。別の視点で見る。 〔感想〕 ホームケアサービスは、日本でいう在宅介護のホームへルパーの仕事である。砂漠の方へ、一人のクライエントの所まで200キロもかけていかなければならないなど、広い土地は大変だと思った。また、「ショートステイ」利用、日本の場合には施設に預けるが、こちらでは住み込みで世話をする所がおもしろい。 高齢化が進み、需要が供給より多くなっており、多数の在宅ケアが必要である。スタッフのコスト(サービスが高価になる)等の問題は、地元の人が地元で働く等のコストダウンを図っている。また、一般家庭に入って働くので、スタッフの倫理教育をする。 サービスに不満のある時は、苦情の申し立てもできるようになっている。 スタッフの労災が多いというのもびっくりする。太った方が多いということだが、介護の方法、安全を考えて、仕事に取り組むべきだと思った。 |