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ブロック・都道府県福祉施設士会の事業案内

都道府県福祉施設士会活動報告

九州・沖縄ブロックセミナー開催報告

 熊本県福祉施設士会は、平成25年6月27日(木)〜28日(金)に「第24回九州・沖縄ブロックセミナー(熊本大会)」を開催し、会員ならびに会員在籍施設職員等124名が参加した。同セミナーでは、橋 紘副会長による基調報告のほか3つの講演を行った。

講演@ 「豊かさとは〜便利さと豊かさを奪い合うことへの決別と勇気〜」
ベトナム育英会 代表 秀嶋 正孝 氏

 私とベトナムとの出会いは22年前にさかのぼる。当時のベトナムは、開放政策によって急激な経済成長を続けていた。しかし、その華やかな表舞台の裏では、日ごと貧富の差が広がり始めていた。人口500万人を超えるベトナム最大の都市、ホーチミン市も例外ではない。第区と呼ばれるスラム街には、学校に行くことが出来ない子どもたちが大勢いた。その子どもたちは、日中、街中に出て靴磨きをしたり、町工場で過酷な労働を強制されたりしながら、貧しい家庭を懸命に支えていた。
 この光景に大きなショックを受け、帰国後、ベトナムの子どもたちを取り巻く環境を少しでも良くしようと活動を始めた。そして、17年前『ベトナム育英会』を設立。募金集めに奔走する傍ら、現地の子どもたちにバス旅行をプレゼントするなど活動を本格化させていった。その一方、育英会の活動資金を捻出するため、ベトナム料理店を経営し、集めた募金と店の利益を送金している。
【ベトナム育英会の主な活動】
 @ バスツアーのプレゼント
 A 奨学金の提供
 B 空飛ぶ車いす事業※
 C HIV感染の子どもたちへの支援
 D 枯葉剤、被害者の会との交流
※熊本県山鹿市の身体障がい者施設「愛隣館」との共同事業。1999年から国内で譲り受けた車いすを整備・調整し、ベトナムの子どもたちに届ける事業を実施している。

講演A 「共生の社会づくりと社会福祉の役割」
日本社会事業大学 理事長 潮谷 義子 氏

1.社会事業の歴史を振り返る
 1938(昭和13)年に『社会事業法』が創設され、戦時厚生事業が明確となった。厚生事業とは、戦時状況下での社会事業の一形態である。1937(昭和12)年に始まった日中戦争を契機として、軍事扶助法の制定、厚生省の新設、国家総動員法の制定などの過程を経て、それまでの社会事業が厚生事業と改められた。
 その背景には、戦争状態において、一時的に生活困難に陥った者に対する救済について、従来の社会事業対象者とは区別する必要があったこと。また、戦争遂行のための健民健兵政策としての人的資源の保護育成があげられる。
 戦時下の厚生事業にかかる問題は、次の6つに分類できる。(1)人的資源としての人口問題、(2)体位の低下にともなう保健・医療問題、(3)将来の人的資源としての児童問題、(4)国民生活の退廃から生じた非行・犯罪問題、(5)空襲他の戦時災害問題、(6)貧困問題。
 法の適用範囲は、社会事業の定義がないまま列挙されていた。わずかな助成金に対して、指導監督規定はとても厳しい内容であった。

2.「慈善事業」から「社会事業」へ
 感化救済事業は、明治末期から大正初期にかけて使用された用語で、当時必要性の高まった感化事業と、従来の慈善事業では対処できない社会問題に対する救済事業を結合したものである。しかし、資本主義経済がより一層発達したことに伴って、社会の広い範囲に貧困層が出現し、感化救済事業では対応しきれなくなった。大正デモクラシーや米騒動、関東大震災を背景とする社会情勢のなかで、社会事業行政機構の整備など、組織的・財政的な基礎づくりを積極的に行う新しい制度が必要とされ、それが社会事業と呼ばれた。私的社会事業に「公金支出」、「税制優遇」を行うことで、国による民間の活動への積極的関与が確立された。その背景には、内務省官僚の灘尾弘吉(後の全社協会長)の奮闘があった。『福祉は国の責任』という今につながる考え方がこの時代に確立し、法律により明確化された。
 しかし現在、社会福祉制度は大きな変革の渦中にある。社会福祉法が成立した後、経済再生に向けた聖域なき骨太の構造改革が進められようとしており、社会福祉も同様の過程にある。そこには全ての国民を福祉の対象とする「措置から契約へ」の大きな流れがある。これは切り口を変えれば、市場原理(競争原理)の導入でもある。福祉サービスの多様な提供主体の参入で、社会福祉法人以外の経営主体が福祉市場に混在することになった。社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手として位置付けられているが、こうした経緯の中で、その具体的な姿はどうなのか危惧されている。

3.社会福祉法人の特性
 社会福祉法人は、以下の特性を備えるべきである。
(1)公益性
  社会福祉法人として、「だれでも」「いつでも」「どこでも」必要なサービスが受けることができるようにしなければならない。
(2)非営利性
  社会福祉法人の非営利性は、収支差額の配当禁止により財源が確保できることであり、この経営努力によって生みだされたわずかな財源をどのように使うかが重要である。地域社会への利益還元を主眼に、新たな事業への投入、非採算部門の継続、より高品質なサービス提供にその財源を充てることで「社会福祉法人は、地域のために、私たちのために、頑張ってくれている」ことを実現することが求められる。
(3)継続性
  社会福祉法人の継続性については、その非営利性を土台として公益性の象徴として捉えることができる。多様な事業主体(株式会社など)が、参入と撤退を繰り返していくなかで、利用者に安定した福祉サービス提供が行われるようにするために、事業主体の継続性が重要であることを知らしめるものである。
(4)社会福祉法人の先駆的・開拓的事業展開
  社会福祉法人が行ってきた先駆的・開拓的事業は多種多様であるが、その根本的活動理念は、地域ニーズに応じた事業展開を行うことにある。

4.これからの社会福祉法人への提言
 社会の福祉ニーズは、地域化、個別化というかたちで多様化が進んでいる。社会福祉法人が自立的にその機能を発揮し、社会福祉事業にとどまらず、それぞれの地域社会で開拓的な社会福祉を目的とする事業実践を展開することが求められている。
 また、社会福祉事業及び社会福祉を目的とする事業は、様々な種別に細分化されているが、利用者のニーズは種別を超えて混在している。利用者が住み慣れた地域でそのニーズを満たすためには、社会福祉法人が多様なニーズに応えることができるよう、地域資源を活用した総合的な福祉サービスの提供を行うことが求められている。
 福祉施設士会には、今後も福祉種別を超えた横のつながりを継続して、その存在感を社会にアピールしていただきたい。

講演B 「熊本ゆかりの福祉先覚者」〜『無限の熱血』塘林虎五郎と『民生委員の父』林市蔵〜
熊本県社会福祉協議会 事務局長 上田 誠也 氏

○塘林 虎五郎
 1866年〜1932年、肥後(熊本県)出身、明治・昭和時代前期の社会事業家。慶応2年11月3日生まれ。陸軍教導団を卒業後、歩兵第十三連隊に勤務。のち軍籍をはなれ、明治25年熊本貧児寮(※現在の大江学園)を開設する。肥後自活団を組織して孤児らに仕事をあたえ、大正11年夜間中学労学館を創立。昭和7年11月2日死去。67歳。
 ※大江学園:明治25年、塘林虎五郎が西坪井に、貧児孤児救済教育のため「熊本貧児寮」を創設した。明治42年、九品寺に移転し「大江学園」と改称。昭和11年に現在地に移転した。戦後は、戦災引揚孤児の養護施設として、昭和40年からは知的障害児・者の社会福祉施設として、熊本県内の福祉の推進に、中心的役割を果たしている。

○林 市蔵
 慶応3年(1867)年、熊本藩士の子として生まれる。父は市蔵が5歳のときに38歳の若さでこの世を去り、母は寝たきりの姑と病弱な子どもであった市蔵の養育に生涯をささげることになる。市蔵は極貧の中で小学校・中学校を卒業し、第五高等学校を経て、東京帝国大学法学部を卒業、拓殖務省に努めた。
 大正6(1917)年山口県知事となり、同年に大阪府知事に就任した。林市蔵の大阪府知事在任はわずか2年5ヶ月であるが、彼の官僚生活の最後でもあり、方面委員制度の創設をはじめ、よく人材を登用して府政を充実した。退官後は大阪を永住の地と定め、信託銀行総裁、米穀取引所理事長、中山製鋼所重役などを歴任、財界の世話役を果たし、昭和27(1952)年に86歳で永眠した。この間、戦時体制の中で隣組が制度化されるにあたり、「方面委員廃止論」が中央官庁にあらわれはじめると、市蔵は内務省や厚生省を歴訪して、大臣や局長に会い、忌憚のない意見を述べて、方面事業の真価について啓発し、結果、方面委員制度は存続することになった。



都道府県福祉施設士会活動情報

東京都福祉施設士会25年度秋季セミナー開催情報

 東京都福祉施設士会は、「福祉施設における地震災害対策の新しいカタチ〜今日からできる、誰でもできる“備え”〜」をテーマに秋季セミナーを開催する。

1.日  程:平成25年9月11日(水)
午後13時30分〜16時10分
2.会  場:淑徳短期大学 4・5号館
(東京都板橋区前野町2-29-3)
3.参加対象:(1)東京都福祉施設士会会員 及び会員在籍施設職員
(2)東京都社会福祉協議会 高齢・保育・障害部会会員
4.募集定員:170名
5.参加費:2,000円(東京都福祉施設士会会員は1,000円)
6.申込締切:平成25年8月31日
7.内  容:  東日本大震災から2年半が経過した。社会福祉施設では、今後、首都東京の地震災害対策に備えるために、BCP(事業継続計画)策定の重要性が叫ばれ、策定中あるいはようやく策定できたという法人が多い。しかし、残念なことにBCPの策定が未だ進んでいない施設も少なくない。また、BCPに沿ったマニュアルは出来ていても、実際それが現場業務に落とし込まれているとは言い難い現状である。
 BCPを円滑に進めるには、実際に地震災害が起きた時に現場職員が現実的な行動ができることが必要となる。
 本セミナーでは、フォックスブルー株式会社代表取締役・早川英樹氏を講師として、地震災害対策の取り組みの新しいカタチを学び、今日から実行できる地震災害対策のノウハウを学ぶ。


ブロックセミナー開催情報

【他のブロックセミナーのご案内】

●北海道ブロックセミナー
主 催:北海道福祉施設士会
日 程:平成25年11月12日(火)〜13日(水)
会 場:ホテル札幌ガーデンパレス(札幌市)
●東北ブロックセミナー
主 催:秋田県福祉施設士会
日 程:平成25年11月6日(水)〜7日(木)
会 場:秋田キャッスルホテル
テーマ:「福祉経営とサービス向上
〜施設長の姿勢と行動が提供するサービスを変える〜」
●関東甲信越静ブロックセミナー
主 催:静岡県福祉施設士会
日 程:平成25年11月11日(月)〜12日(火)
会 場:ホテルセンチュリー静岡(静岡市)
●東海・北陸ブロックセミナー
主 催:愛知県福祉施設士会
日 程:平成26年2月
会 場:(調整中)
●近畿ブロックセミナー
主 催:京都府福祉施設士会
日 程:平成25年10月22日(火)〜23日(水)
会 場:京都リーガロイヤルホテル(京都市)
●中国・四国ブロックセミナー
主 催:高知県福祉施設士会
日 程:平成25年10月31日(木)〜11月1日(金)
会 場:ザ クラウンパレス新阪急高知
テーマ:「政局を語る(案)」
    内閣官房参与 特命担当 飯島 勲 氏