日本福祉施設士会

2024/03/14

「福祉QC」活動を行うことによって、「第三者評価」ではどのように評価されますか?

福祉QC」活動と「第三者評価」は、サービスの質の向上を目指した取り組みであるという意味において共通しています。しかし、「組織内部による活動」と「組織外からの働きかけ」という意味において、「福祉QC」活動と「第三者評価」には違いがあります。相違点の詳細については、『「福祉QC」活動ガイドブック』を参照してください。

ここでは、「第三者評価」において問われている内容を具体的に検討することにより、「福祉QC」活動の有益性を鑑みたいと思います。なお、具体的な第三者評価の例として、「東京都福祉サービス評価推進機構」が実施している「福祉サービス第三者評価」をもって説明します。「福祉サービス第三者評価」は、大きく分けて2つに分類されます。1つは「組織マネジメント分析シート」(平成16年度試行版では、経営者層用11枚、職員用11枚)、もう1つは「サービス分析シート」(平成16年度試行版では、特別養護老人ホーム用13枚)です。ここでは前者の、「組織マネジメント分析シート」を用います。このシートは、第一に「リーダーシップと意思決定」という項目があり、その項目内3つの評価項目を抜粋すると下記の通りです。

1.事業所が目指している目的・目標をはっきりとさせて、関係者にそれを周知しているか。
2.経営層の発言や行動は、事業所の目指している目的・目標の実現に向けて職員や協力者が一丸となることにつながっているか。
3.事業所をより良くするための課題やテーマを設定しているか?

第二には、「向上課題の設定と取り組み」が挙げられています。ここでは、その項目内3つの評価項目を抜粋すると下記の通りです。

1.テーマに基づき、事業所がより良くなるための取り組みを行っているか。(日々の活動の中で、日常業務の改善点を見つける方法を整えているか?など)
2.職員の質の向上に向けた体制が確立されているか?
3.職員一人一人の主体的な判断・行動と組織力により創意工夫をしているか。(職員から改善への気づきや提案が出やすい仕組みを整えているか? など)

これら抜粋した6つの評価項目は、まさに「福祉QC」活動の本質を含むものといえます。このように、「福祉QC」活動を導入していれば、第三者評価では標準を上回る評価が得られるといえます。「東京都福祉サービス評価推進機構」が実施している「福祉サービス第三者評価」について詳しいことは、『東京都の「福祉サービス第三者評価」について知りたい』の中で解説されていますので、ご興味のある方はご参照ください。