日本福祉施設士会

DSWIスクエア 平成26年度 12月号

平成26年度近畿ブロックセミナー開催報告

平成26年9月17日(水)~18日(木)に奈良ホテル(奈良市)において、近畿各府県会員等、70名の参加を得て「平成26年度近畿ブロックセミナー」を開催した。以下、セミナーの概要について報告する。

本年は、「いにしえから受け継いだもの、そして未来に繋げるもの」をテーマとしてプログラムは総会及び講演を初日に凝縮し、2日目は古都の文化や史跡に触れる屋外研修とした。

初日、開会式には開催県会長の歓迎挨拶、堺孰近畿ブロック福祉施設士会長(兵庫県福祉施設士会長)の開会挨拶のあと、奈良県健康福祉部長、奈良県社会福祉協議会常務理事よりご祝辞を頂き、引き続き日本福祉施設士会高橋紘副会長より、基調報告として日本福祉施設士会のこれまでの取り組みとして、福祉施設士が守るべき「倫理綱領」の制定から、これを基本とした「行動原則」に則った施設士の姿勢を呼びかけられ、最後に今後の日本福祉施設士会の事業について講演いただいた。この後、ブロック総会として、各府県施設士会会長より、それぞれの活動報告を行った。

昼食後、講演Iとして、「今、取り組むべき事業承継~法人・事業を次世代につなげるために~」と題して、(株)プラス・パートナー代表取締役の河合由紀子氏より講演をいただいた。法人・事業を次世代につなげるために今、取り組まなければならないことは何か、企業も含め、事業承継の実態、承継者、後継者それぞれの視点からの課題や取り組まなければならないことについてわかりやすくレクチャーいただいた。

次に講演IIとして、「世界文化遺産、古都奈良の文化財の魅力」と題して、会場近くの古刹である「元興寺」住職の辻村泰善氏より、ユネスコ世界文化遺産の一つであり国宝建築物を有する元興寺の歩みと奈良の文化遺産について、ユーモアを交えた講演を頂いた。

最後に次回開催県である兵庫県会長の挨拶により初日のセミナーを終え、閉会後、交流会が開催され参加者相互の親睦が深められた。

2日目は、奈良公園飛火野において「鹿寄せ」を体験していただき、その後元興寺に移動し、辻村住職のご案内で伽藍を見学、拝観させていただき、2日間のセミナーを締めくくった。

(文責 奈良県福祉施設士会会長 矢追義法)

平成26年度東北ブロックセミナー山形大会開催報告

平成26年10月16日(木)~17日(金)の二日間、山形国際ホテル(山形市)にて「平成26年度東北ブロックセミナー・山形大会」を開催した。「社会福祉施設の今日的課題を探る ~リスク管理・労務管理は万全ですか?~」をテーマとして、会員及び会員の施設職員の方々約100名の参加を得て開催された内容を、二つの講演を中心に報告する。

開会式では、開催県である髙梨正章山形県福祉施設士会長の開会挨拶、大久保文直東北ブロック福祉施設士会長(岩手県福祉施設士会長)の主催者挨拶の後、青山永策山形県社会福祉協議会長並びに柳生法雄山形県社会福祉法人経営者協議会長の来賓挨拶をいただいた。続いて森田弘道日本福祉施設士会長に基調報告をいただいた。

【講演概要】講演①「危機管理とトラブル対応」
びわこ学院大学教育福祉学部教授 (株)福祉リスクマネジメント研究所所長 烏野 猛氏

烏野講師からは、【リスクをなくす・減らすのではなく、どこまで負うことができるのか?】を柱に、1. 大規模災害というリスク―関東の大雪、そして首都直下型地震― 2. 高齢者の層が変わるというリスク 3. 介護事故の頻発というリスク―介護事故裁判の判例から― 4. 介護事故をめぐる法的問題など、といった講演をいただき、また、大規模災害発生時の避難の難しさについても指摘された。
夜の交流会では、山形県民踊協会の皆さんと共に「花笠踊り」で輪を作り交流を深めた。

講演②「改正労働契約法と職員の労務管理」
社会保険労務士法人堀越事務所所長 堀越 俊一郎氏

堀越講師からは【福祉施設としてさまざまな人材をどのように活かすか?】を柱に、1. 最近遭遇した事案 2. 社会的規律性(ソーシャルスキル)の確認 3. 職員の定着化と戦力化のために 4「. ブラック企業」と呼ばれないために 5.人材の体系化と整備、正規職員化 6. 使命(ミッション)を明らかにする 7. 経営理念と職場の人間関係 8.こんな組織風土が職員をシラケさせる 9. 凡事徹底で利用者第一の職場を目指す、など、具体的かつ有用な講演をいただいた。

閉会式では、次年度開催県として福島県福祉施設士会の大塚孝明会長の挨拶と、五十嵐友明山形県福祉施設士会副会長の閉会の挨拶を以って終了した。

(文責:山形県福祉施設士会事務局)

第27回関東甲信越静ブロックセミナー神奈川大会開催報告

平成26年10月23日~24日の両日、横浜市内のホテルプラムにおいて関東甲信越静ブロックセミナーが開催された。以下、セミナーの概要について報告する。

今回のセミナーは、「社会福祉法人に期待するもの」をテーマに、神奈川県福祉施設士会(会長:時田 純)が本年度の当番県として、昨年度より準備を進めてきた。当日は、県内外より147人の社会福祉施設長・従事者の参加があり、これからの社会福祉、社会福祉法人・施設のあるべき姿を学び合った。

1日目の冒頭、時田会長より「人間の感性やボランタリーの心など福祉の原点をこのセミナーを通して学んでほしい」という開会の挨拶に続き、阿部志郎氏(横須賀基督教社会館会長)からは「福祉とは、生きる喜びと明日への望みを繋げること」をテーマとして、これからの福祉施設の役割と施設長像についての基調講演を行った。

事例発表講演では、横浜市ホームレス自立支援施設「はまかぜ」施設長の工藤廣雄氏から、若者、認知症高齢者をはじめ、誰もが路上生活者になりえる社会状況下、近年のホームレスの現状と、種別を越えた施設間連携の必要性が報告された。

2日目は、2つの講演が行われた。まず、我が国の福祉人材採用の現状を踏まえた、福祉業界全体で取組むブランディングの必要性について、門野友彦氏(リクルートキャリア)よりレポートがなされ、続いて古都賢一氏(前厚生労働省大臣官房審議官)から、社会福祉の担い手としての矜恃、狭間への積極的な対応、福祉サービス選択の保障機能、人を大切に育てる文化づくり等、社会福祉法人に対する力強いエールが送られた。

閉会式では、次期開催県である新潟県福祉施設士会の平澤正人会長から、「大変充実したセミナーだった」と評価があり、各県で持ちまわる学びの機会づくりと、福祉施設士による現場からのメッセージの発信の重要性を痛感したセミナーであった。

(文責:神奈川県福祉施設士会事務局)

合宿セミナー イン福岡 開催報告

平成26 年8月31日~9月1日の両日、福岡市内のホテルセントラーザ博多において九州各県組織の会長が中心になり「合宿セミナー イン福岡」が開催され、18名の参加があった。以下、セミナーの概要について報告する。

今回のセミナーは、「日本福祉施設士会の今後に対する危機感」から企画されたものである。全国的に本会会員の減少が続く中で、北海道や東北からも参加者を得て、各県の状況報告と情報交換、自由な意見交換が行われた。2日間のセミナーで出された主な意見は以下の通りであった。

①本会の位置付け
他種別の施設長との交流ができるなどのメリットがある。
福祉施設士の認知度が低い。
福祉施設士をブランド化しなければいけない。

②組織構成や運営のあり方
県内の会員が少ない。なかなか集まらない。
色々と会員の意見を取り入れる場が必要。
若い人が意見を言いにくい雰囲気になっていないか。
福祉施設士として若手や後継者の育成が必要。

③本会事業について
異業種の方との交わりがよい。
セミナーや実学講座の参加費が高い。
講師の選定等、より実務に引き寄せた研修にしてほしい。
施設のステータスを高める「星」や「適」マークをつける事業を行ってはどうか。

④公的資格について
会の設立当初は公的資格になるという期待もあり資格取得をした。
国家資格化は現状では無理であると考える。

今回の合宿セミナー参加者は、九州・沖縄ブロックの会員施設が中心となったが、今後、このような意見交換の機会が他ブロックでも増えることを期待したい。セミナー内容に関心のある会員は、九州・沖縄ブロック会長まで問い合わせを。

(文責:日本福祉施設士会九州・沖縄ブロック会長 岡田好清)