ユニットケアにおいては、各ユニットに職員が分散で配置されており、元々、小集団活動を行う土壌が備わっているのではないかと思います。しかし、ユニットでサークルを編成した場合、ローテーションによりメンバーが集まりにくい環境にあると思います。話し合いの前にテーマを決めておき、話し合いに参加出来ないメンバーの意見や提案を予め文書等で伝言してもらう等工夫が必要です。誰かが仲間外れのようにならないよう気をつけて下さい。
ユニットケアでは職員が各ユニットに分散することによって、「自分で考えて動く」ことのできる職員が求められます。QCサークル活動を通じて、ユニット職員1人1人が意見や提案をすることが、結果的に人材育成に繋がっていくと思います。また、小集団活動を通じて、ユニット全体の団結力が強くなってくるといった波及効果も期待できます。そして、QCサークル活動の中から各ユニットのサービスのオリジナリティが生まれ、それをユニット相互で情報を共有することにより、施設全体のサービス向上につながっていくことになると思います。
施設全体に効果を波及するためには施設内のQC発表会等を開催してみてはどうでしょうか。各ユニットがバラバラで活動して終わるようではいけません。「福祉QC」活動開始時に施設長等の管理者が経営方針や重点施策を打ち出すことが必要です。それに基づいて各ユニットのQC活動を行い、その成果を全体で共有して施設の総合力を高めていくといったようにTQM(Total Quality Management)を意識した取り組みがユニットケアでは特に必要であろうと思います。
まだまだ過渡期のユニットケアです。QCサークル活動を通じて、個別ケアの追及等ユニットケアの進化に繋がれば大変喜ばしいことです。
2024/03/14